よき便り 2017年4月

掲載日 2017年3月26日 日曜日   •   no comments   

 

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2017年4月カトリック藤が丘教会 

よき便り

エマオへの道-復活祭にあたって-

 

 今年の復活祭は、4月16日です。パウロが「キリストが復活しなかったとしたら、わたしたちの宣教は無意味であるし、あなた方の信仰も無意味となるでしょう。」と『コリントの教会への第一の手紙』で述べている通り、イエスの復活はキリスト教徒の信仰の根源となる最も重要な出来事です。生前からイエスが言われていた通り、十字架上で死を遂げた三日後にイエスは復活されたのでした。四つの福音書は、イエスの復活の状況、復活後のイエスの言動について、それぞれ詳しく臨場感のこもった文体で綴り、私たちの信仰の励みとしてくれています。そのいくつかの記述の中から、ルカ福音書に記された『復活の日の二人の弟子たちとイエスの物語り』について考えて見たいと思います。

 

 ルカはまず復活の朝の状況を記述し、マグダラのマリアを始めとする女性たちがイエスの葬られた墓が空になっていることに気づき、そのことを使徒たちに告げた、と言います。彼らは女性たちの報告が信じられなかったのですが、ペトロは墓まで走って行き、中には亜麻布だけしか残っていないことを見極めます。「そこでこの出来事に驚き家に帰った」と、この場面は締めくくられています。

 

 そのあと、舞台は一転し「エマオへの道」の物語りとなります。エマオはエルサレムからおよそ11キロ離れた村ですが、現在この地名は存在しません。

 

 二人の弟子がエルサレムからエマオへ向かいます。彼らは復活の日の午後に旅をしており、まだその日の出来事について興奮冷めやらぬ感じで論じ合っています。そこへイエスご自身が近づいてこられ彼らといっしょに歩き始めます。しかし「二人の目は遮られていて」イエスが一緒だとは気がつかないのです。

 イエスが「何をそんなに熱心に話しているのですか」と尋ねます。二人のうちのクレオパという名の弟子は「ナザレのイエスのことです」と答え、ほとばしるようにイエスの受難、イエスの十字架上での死、その日の朝に起こった驚きの出来事について詳しく語ります。クレオパの話を聞かれたイエスは「あなた方はメシアが苦しみを受けたあとに栄光に入るということをまだ良く解っていないのですね」と叱責ともとれる言葉に次いで「モーセと全ての預言者から始めて聖書全体にわたってご自分について書かれていることを二人に説明された」のでした。この時点で二人はまだ一緒にいた人がイエスとは気づいていません。

 

 ここでルカの記述に注目すべきことは、クレオパの話は詳しく記されているのにイエスの言葉は、2行ほどにまとめられてしまっているということです。イエスはこの時何を語られたのでしょうか。興味津々というところです。

 

 さて三人はエマオに到着します。もう夜となっていたので、さらに先へ進まれようとするイエスを二人は「こちらで一緒にお泊り下さい」と引き止めます。そして三人が夕食の席に着いた時客人は、パンを取り、賛美をささげ、それを割いて二人に渡します。その瞬間二人の「目は開かれ」客人がイエスであることに気が付くのですが、イエスの姿は見えなくなりました。二人は道中イエスが語られた時に「心は内で燃えていた」ことを思い起こし、急いで夜道をエルサレムへ取って返します。使徒たち11人が集まっている部屋についた二人はエマオへ向かう道筋でイエスに出会ったこと、イエスがパンを割いて与えて下さったことを喜びのうちに語ります。

 

 そのように皆が話し合っているところへイエスが現れ、驚き恐れる弟子たちに「自分は幽霊ではない、手も足もある」と告げられます。「何か食べ物はあるか」と仰せになったので、弟子たちが焼いた魚を一切れ差し上げると、それを食べたのでした。このようにして復活されたことを自らハッキリと示されたイエスは、弟子たちに「わたしの父が約束された聖霊をあなた方に送る。それまで都にとどまりなさい」と指示されます。ルカ福音書は、このあとイエスの昇天に関する短い記述で終わります。復活とそれにかかわるエマオへの道のシーンは、いわばルカ福音書のフイナーレというべき美しい描写と言えましょう。

 

 「エマオへの道」と「エマオでの食事」の場面は、多くの画家が取り上げる題材となり、幾多の名画が誕生しました。中でも「エマオへの道」では、スイス人画家ロベルト・ツンデマンの作品が良く知られています。広い緑の中に明らかにイエスをわかる三人の旅人を描いたこの名画は、イースター・カードなどに取り上げられていて広く親しまれています。「エマオでの食事」も有名な絵が数多く描かれていますが、ロンドンのナショナル・ギヤラリーに飾られているカラヴァッジョの作品が有名です。

 

 エマオへの道に関するルカの記述は、イエスの復活の意味を考えさせてくれます。エマオへの道中イエスは弟子たちに何を語れたのでしょう。なぜ二人は、語っているのがイエスとは気づかずとも「心は内で燃えた」のでしょう。この物語りを読んで誰もが、あの夕闇せまる田舎道をイエスと一緒に歩きたかった、イエスのみ言葉を直に聞きたかった、という思いを抱くのではないでしょうか。

 この思いは、カトリック典礼聖歌388番の4番の歌詞に次のようにあらわされています。

 

             夕暮れのエマオへの道で

             弟子たちに告げられた

             いのちのみ言葉を

             わたしにも聞かせて下さい。

 

 復活の日の午後、エマオへの道を二人の弟子たちとともに歩かれたイエスは、わたしたち各自の「人生の道」を一緒に歩いて下さいます。そして謙虚に耳を傾ければ、「心の内」を熱くするような言葉を聞かせて下さるでしょう。この日の出来事を思い浮かべ、またパウロの言葉も思い起こしながら、わたしたちはイエスの復活を実感し、それぞれの信仰が一層深まるよう祈りましょう。

 

 キリストの教会は社会に開かれた共同体です。より多くの人びとがわたしたちのカトリック藤が丘教会の扉をたたかれることを、お待ちしております。興味を持たれた方は、ぜひ日曜日のミサにいらして下さい。

               

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