巻頭言2022年3月

四旬節が始まり、自分を見つめて…

カトリック藤が丘教会主任司祭

今年は4月17日の復活祭に向けて、準備する四旬節の始まりがいつもより遅く、3月に入ってからとなりました。3月・4月は社会的には何かとせわしい季節です。その原因は日本の学校の制度によります。3月には学校の卒業式や終業式があり、4月になると入学式や始業式があるからです。会社では新入社員の入社式などもあるでしょう。3月4月は多くの人々にとって、人生の節目となる一つの締め括りと、新しい始まりの季節と言えるでしょう。

一年のうちで教会の一番大きな祭日である復活祭の準備もこのような社会的な背景があって、なかなか心理的にも集中しがたいところがあります。それに加えて、未だにコロナウイルスに振り回されている状況です。私たちの信仰生活に大きな影響が及んでいます。

しかしながら、信仰生活にとって重要なことは、どのような試練の中にあっても、主の慈しみに信頼し忍耐を持って対処することです。初代教会の迫害の時代や日本のキリシタン時代を思えば私たちにはまだまだゆとりがあると言えるでしょう。かえって困難なときほど主が近くにいて共に歩んでくださることを確信するものです。主のご受難と死と復活の出来事によって私たちに示された神の愛と計り知れない豊かな恵みにあずかることができるように祈りながら、忍耐して、主による喜びの訪れを待ちましょう。復活祭に向けてふさわしい準備をいたしましょう。

信仰、希望、愛は神の恵みによる対神徳と言われますが、困難なときほどこの徳を改めて思い起こす必要があるでしょう。困難はこれらを根底から揺るがすからです。信仰生活を見直すために、自分がキリスト者として信仰、希望、愛のうちに歩み続けているかどうか自分を見つめることが求められます。それぞれ自分の心を究明しましょう。

また、例年四旬節の初めは灰の水曜日から始まり、この日には四旬節の務めと言われている祈り、節制、愛の業について思いめぐらします。復活祭を大きな喜びのうちに迎えるため、心の準備として四旬節の間、日々の生活の中でどれ程これらを実践しているか、度々自分を見つめ反省しましょう。復活祭に向けてより良い準備ができますように祈ります。

キリストの教会は社会に開かれた共同体です。より多くの人々がわたしたちのカトリック藤が丘教会の扉をたたかれることをお待ちしております。興味を持たれた方は是非日曜日のミサにいらして下さい。

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