よき便り 2017年5月

4月 30th, 2017   •   no comments   

カトリック藤が丘教会へようこそ

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2017年5月カトリック藤が丘教会 

よき便り

聖母マリアに捧げられた5

 

 5月は、北半球では最も美しい月です。「風薫る5月」、「青葉が目にしみる5月」などと多くの表現を持って美しさ、爽やかさが称えられる月です。その誕生の時期から聖母を深く崇敬してきたカトリック教会では、16世紀頃からこの最も美しい5月を、聖母マリアに捧げ、「聖母の月」としてきました。この月になると、全世界のカトリック教会では、ミサの中で聖母賛美の聖歌が数多く歌われたり、ロザリオを唱える集会が開かれたりします。聖母への崇敬の念が特に篤いドイツのババリア地方、スペイン、イタリアなどでは、家庭内に聖母像を飾った「5月の祭壇」が置かれ、それを囲んで家族、親族がそろってロザリオを唱える、という習慣がまだ残っています。

 

 もちろん、聖母への崇敬、信心の表明は、5月に限られてはおらず、年を通してのことですが、特にこの時期に盛り上がるのは、きっと気候の美しさ、暖かさ、明るさが聖母のイメージと合致するからでありましょう。

 カトリック教会は、使徒の時代から聖母を大切にしてきました。

そのことは使徒言行録にもはっきりと記されています。マリアは、出現した大天使ガブリエルが「あなたは、身ごもって男の子を生む」と伝えた時にどんなに驚いたことでしょう。未婚のうら若き女性にとって何という衝撃的なお告げだったでしょうか。それでもマリアは、「私は主のはしためです。お言葉どおりこの身になりますように」と神への全幅の信頼と従順、そして謙遜をもってこのお告げを受け入れたのでした。これによりマリアは、わたしたちに神への信頼、神に対する謙遜がいかに大切なことかを示したのでした。お告げを受けたあと、マリアは矢張り身ごもっていたいとこのエリザベートを訪問した際、自らの信仰を「賛歌(マグニフイカート)」の中で歌い上げたのでした。ルカ福音書は、マリアが次のように歌ったと記しています。

    

わたしの魂は主をあがめ

わたしの霊は

救い主である神に、喜び踊ります。

主が身分の低いはしために

目をとめて下さったからです。…………

  

 この「マグニフィカート」に後年、多くの著名な作曲家が曲を付けましたーバッハ、モーツアルト、シューベルト、グノー、フランクなどの作品が良く知られています。

 

 その後、母となったマリアは、わが子イエスを慈しみを持って育みました。イエスが公生活に入られた後でも身近におり、その教えに耳を傾け、支えとなりました。イエスの受難の時には、苦しみをともにし、十字架上での死を悲しみを以て見守ったのでした。このようにして、わが子の尊い贖いの御業に参加したマリアは、切り離すことが出来ない絆によって主と結ばれています。そのマリアをカトリック教会は、「教会の母」であるとイメージし、特別の愛をもって敬うのです。

 

 現代の教会の信仰生活の指針を示した第二バチカン公会議の「教会憲章」は、その第八章を「キリスト教会の秘義との中における神の母・おとめマリア」と題して、教会は、なぜ、どのようにマリアを崇敬するのかについて詳しく述べています。聖なる教会においてマリアはキリストに次いで最も高く、信徒たちに最も近い位置を占める方とされます。この憲章は、マリアの生涯を振り返り、その徳をたたえ、これを模範とするよう呼びかけます。そして最後に、マリアは旅する神の民にとって確かな希望と慰めのしるしである、と結論づけています。

 

 一年で最も美しい5月が聖母マリアに捧げられていることは、マリアがわたしたちの救いに果たした重要な役割を思えば、誠にふさわしいことと言えるでしょう。この月はイエスの母であり、教会の母であり、わたしたちの母であるマリアの生涯を思い起こし、必要とされる恵みのお取次ぎを願いたいものです。

 

 キリストの教会は社会に開かれた共同体です。より多くの人々がわたしたちのカトリック藤が丘教会の扉をたたかれることをお待ちしております。興味を持たれた方は是非日曜日のミサにいらして下さい。

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よき便り 2017年4月

3月 26th, 2017   •   no comments   

 

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2017年4月カトリック藤が丘教会 

よき便り

エマオへの道-復活祭にあたって-

 

 今年の復活祭は、4月16日です。パウロが「キリストが復活しなかったとしたら、わたしたちの宣教は無意味であるし、あなた方の信仰も無意味となるでしょう。」と『コリントの教会への第一の手紙』で述べている通り、イエスの復活はキリスト教徒の信仰の根源となる最も重要な出来事です。生前からイエスが言われていた通り、十字架上で死を遂げた三日後にイエスは復活されたのでした。四つの福音書は、イエスの復活の状況、復活後のイエスの言動について、それぞれ詳しく臨場感のこもった文体で綴り、私たちの信仰の励みとしてくれています。そのいくつかの記述の中から、ルカ福音書に記された『復活の日の二人の弟子たちとイエスの物語り』について考えて見たいと思います。

 

 ルカはまず復活の朝の状況を記述し、マグダラのマリアを始めとする女性たちがイエスの葬られた墓が空になっていることに気づき、そのことを使徒たちに告げた、と言います。彼らは女性たちの報告が信じられなかったのですが、ペトロは墓まで走って行き、中には亜麻布だけしか残っていないことを見極めます。「そこでこの出来事に驚き家に帰った」と、この場面は締めくくられています。

 

 そのあと、舞台は一転し「エマオへの道」の物語りとなります。エマオはエルサレムからおよそ11キロ離れた村ですが、現在この地名は存在しません。

 

 二人の弟子がエルサレムからエマオへ向かいます。彼らは復活の日の午後に旅をしており、まだその日の出来事について興奮冷めやらぬ感じで論じ合っています。そこへイエスご自身が近づいてこられ彼らといっしょに歩き始めます。しかし「二人の目は遮られていて」イエスが一緒だとは気がつかないのです。

 イエスが「何をそんなに熱心に話しているのですか」と尋ねます。二人のうちのクレオパという名の弟子は「ナザレのイエスのことです」と答え、ほとばしるようにイエスの受難、イエスの十字架上での死、その日の朝に起こった驚きの出来事について詳しく語ります。クレオパの話を聞かれたイエスは「あなた方はメシアが苦しみを受けたあとに栄光に入るということをまだ良く解っていないのですね」と叱責ともとれる言葉に次いで「モーセと全ての預言者から始めて聖書全体にわたってご自分について書かれていることを二人に説明された」のでした。この時点で二人はまだ一緒にいた人がイエスとは気づいていません。

 

 ここでルカの記述に注目すべきことは、クレオパの話は詳しく記されているのにイエスの言葉は、2行ほどにまとめられてしまっているということです。イエスはこの時何を語られたのでしょうか。興味津々というところです。

 

 さて三人はエマオに到着します。もう夜となっていたので、さらに先へ進まれようとするイエスを二人は「こちらで一緒にお泊り下さい」と引き止めます。そして三人が夕食の席に着いた時客人は、パンを取り、賛美をささげ、それを割いて二人に渡します。その瞬間二人の「目は開かれ」客人がイエスであることに気が付くのですが、イエスの姿は見えなくなりました。二人は道中イエスが語られた時に「心は内で燃えていた」ことを思い起こし、急いで夜道をエルサレムへ取って返します。使徒たち11人が集まっている部屋についた二人はエマオへ向かう道筋でイエスに出会ったこと、イエスがパンを割いて与えて下さったことを喜びのうちに語ります。

 

 そのように皆が話し合っているところへイエスが現れ、驚き恐れる弟子たちに「自分は幽霊ではない、手も足もある」と告げられます。「何か食べ物はあるか」と仰せになったので、弟子たちが焼いた魚を一切れ差し上げると、それを食べたのでした。このようにして復活されたことを自らハッキリと示されたイエスは、弟子たちに「わたしの父が約束された聖霊をあなた方に送る。それまで都にとどまりなさい」と指示されます。ルカ福音書は、このあとイエスの昇天に関する短い記述で終わります。復活とそれにかかわるエマオへの道のシーンは、いわばルカ福音書のフイナーレというべき美しい描写と言えましょう。

 

 「エマオへの道」と「エマオでの食事」の場面は、多くの画家が取り上げる題材となり、幾多の名画が誕生しました。中でも「エマオへの道」では、スイス人画家ロベルト・ツンデマンの作品が良く知られています。広い緑の中に明らかにイエスをわかる三人の旅人を描いたこの名画は、イースター・カードなどに取り上げられていて広く親しまれています。「エマオでの食事」も有名な絵が数多く描かれていますが、ロンドンのナショナル・ギヤラリーに飾られているカラヴァッジョの作品が有名です。

 

 エマオへの道に関するルカの記述は、イエスの復活の意味を考えさせてくれます。エマオへの道中イエスは弟子たちに何を語れたのでしょう。なぜ二人は、語っているのがイエスとは気づかずとも「心は内で燃えた」のでしょう。この物語りを読んで誰もが、あの夕闇せまる田舎道をイエスと一緒に歩きたかった、イエスのみ言葉を直に聞きたかった、という思いを抱くのではないでしょうか。

 この思いは、カトリック典礼聖歌388番の4番の歌詞に次のようにあらわされています。

 

             夕暮れのエマオへの道で

             弟子たちに告げられた

             いのちのみ言葉を

             わたしにも聞かせて下さい。

 

 復活の日の午後、エマオへの道を二人の弟子たちとともに歩かれたイエスは、わたしたち各自の「人生の道」を一緒に歩いて下さいます。そして謙虚に耳を傾ければ、「心の内」を熱くするような言葉を聞かせて下さるでしょう。この日の出来事を思い浮かべ、またパウロの言葉も思い起こしながら、わたしたちはイエスの復活を実感し、それぞれの信仰が一層深まるよう祈りましょう。

 

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よき便り 2017年3月

2月 25th, 2017   •   no comments   

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2017年3月カトリック藤が丘教会 

よき便り

四旬節への思い 

 カトリック教会では、今年は、3月1日が灰の水曜日」で、この日から四旬節が始まります。四旬節とは四十日間という意味でこの日のミサでは、灰の祝別が行われた後、司祭はその灰を信徒の額に付けながら「回心して福音を信じなさい」または、創世記にしるされた神の言葉「あなたはちりであり、ちりに戻って行きます」と唱えます。こうして教会は、四旬節を迎えますが古代教会からの習慣でこの期間は、イエスの受難と復活に備える節制と犠牲の期間とされてきました。

 

 40日というのは、イエスが洗者ヨハネから洗礼を受けられたあと、荒れ野に引きこもって、断食され、サタンの誘惑にさらされるなど苦行の日々にちなんでいます。「荒れ野」は、私たちの人生を象徴しているのではないでしょうか。そこでイエスがさらされた「誘惑」も私たちの信仰生活に重要な指針を暗示していると言えます。断食をして飢えを感じたイエスにサタンは、「石をパンに変えたらどうか」と迫りますがイエスは、力強くこれを退けました。「人はパンのみで生きているのではない、神の口から出るひとつひとつの言葉で生きる。」 このやりとりから、私たちは物質的恩恵だけによって生きているのではなく、心を潤す神の言葉によって生きているのだ、ということを思い知ります。

 

 キリスト教の信仰実践において、四旬節の間は、イエスの荒れ野での苦行に思いを馳せ、節制の期間とされます。日曜日を除き栄養が豊かな肉は食べない「小斎」を守り、一日一回の食事とする「大斎」を守る習慣があります。そのため「灰の水曜日」以降、復活祭まで,ご馳走は食べられない、肉も食べられない、ということになるので、その前に大いに食べて、呑もうという気持ちが、四旬節前の火曜日を頂点とする「カーニバル」というお祭りに発展しました。フランスでは、最後の火曜日をMardi gras[マルディグラ] -直訳すれば「こってりとした火曜日」-と呼んで大いに豪華なご馳走を楽しみます。そして翌日の「灰の水曜日」以降は生活スタイルが一変したのでした。今でも、フランスのニースや、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロのカーニバルは、有名ですが、現在では宗教的な意義は薄れ、むしろ季節の風物となっている感じです。

 

 現代の教会では、四旬節をかつてのような「苦行」の期間とするようなことはありません。大斎(節食)や小斎(肉なし)の決まりも緩やかになりました。昔のように「灰の水曜日」以降、生活スタイルが変わるようなこともありません。しかし、教会にとって四旬節はやはり重要な教会典礼の一環をなし信仰を呼びもどす時期に変わりはありません。イエスの荒れ野での苦行を思い、過ぎ越しの食事、受難、十字架の苦しみ、栄光の復活に思いを馳せる期間なのです。特に四旬節中には、謙遜と愛の心を持って、祈り、犠牲、慈善、償いに励みます。このようにして、イエスの苦しみを分かち合い、復活の喜びに浸るふさわしい準備をしていくのです。

 

 なお、今年は31日が「灰の水曜日」、復活祭は416日です。

 

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