よき便り
今年の福音書朗読は、ルカによる福音書が読まれています。2月10日の年間第5主日のミサにおける福音書朗読では、イエスが最初の弟子を呼ばれた時の出来事が描かれています。イエスは湖畔で漁師の舟を借り、舟から集まって来た人びとに教え始められます。話し終えた時に、イエスは舟の持ち主であるシモンに次のように声をかけられたのでした。
「沖に漕ぎ出して網を降ろし、漁をしなさい」(ルカによる福音書5・4)
イエスが人びとに教えられる時、いつもたとえを用いて話していました。それは、この漁師との出会いの時もそうでした。確かにイエスは漁をしなさいと声をかけましたが、これは単に魚をとりなさいと声をかけたのではなかったのでした。しかし、そこにいた漁師たちはたとえであるとは理解できず、「先生、夜通し苦労しましたが、何もとれませんでした。」と普通に答えています。おそらく、わたしたちも「漁をしなさい」と突然声をかけられたら、同じように「とれなかったです。これから行っても無理でしょう」と答えてしまうでしょう。
しかし、漁師たちは「夜通しとれなかったので、行っても無駄」とは言いませんでした。ひょっとしたら、舟の上から神さまの言葉を群衆に伝えるイエスに、何かを感じていたのかもしれません。「お言葉ですから、網を降ろしてみましょう」と、沖に漕ぎ出して漁を始めたのでした。
すると、網が破れるほどに魚がかかり、仲間の舟を応援に頼んで引き上げたものの、それでも舟が沈みそうなくらいにいっぱいになりました。これを見た漁師のひとりシモンは「主よ、わたしから離れてください。わたしは罪深い者なのです」とひれ伏し、ゼベダイの子ヤコブとヨハネも同様であったとルカによる福音書は伝えています。自分たちが、立法学者や指導者たちのように、ユダヤ社会の規律や律法にのっとった生活ができない、罪深い立場であることを自覚していました。
しかし、そんな漁師たちにイエスは「今から後、あなたは人間をとる漁師になる。」(ルカによる福音書5・10)と話します。これを聞いた彼らは、イエスに従う最初の弟子となっていきます。イエスが漁師たちに「沖に漕ぎ出して網を降ろし、漁をしなさい」と話したのは、当時のユダヤ社会に漕ぎ出して、神さまの福音を理解する人たちを増やしなさいということでした。
当時のユダヤ社会にあって、規律や律法に従うことができない日常にある漁師たち。そんな生活でありながらも神さまの言葉を聞こうとしている人たちを、イエスはまず最初に共に歩む人として召し出したのでした。どんな人であっても、共に歩もうと呼びかけてくださる神さまとともに、私たちもまた勇気を持って歩みだしていきたいと思います。
キリストの教会は社会に開かれた共同体です。より多くの人々がわたしたちのカトリック藤が丘教会の扉をたたかれることをお待ちしております。興味を持たれた方は是非日曜日のミサにいらして下さい。
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