6月巻頭言『聖心の月を迎えて』

主任司祭 鵜飼好一

6月になりました。5月の聖母月が終わり、6月は聖心の月です。キリストの聖体の主日が6月の最初の主日です。この日、教会では初聖体が予定されています。そして、その週の金曜日はキリストの聖心の祭日です。この日、特に主の慈しみとあわれみに満ちた愛をわたしたちは記念します。
 
聖心の信心はよく知られています。主のご受難をとおしてわたしたちに示された神の愛を、槍で貫かれたイエスさまの心臓が象徴的に示しています。主の救いのみわざは愛に始まり、愛によって完全に成し遂げられました。神の愛を信じ、その慈しみとあわれみを信じ、その愛に応えることこそキリスト者としての召しだしです。
 
聖心の信心は深くご聖体と結ばれています。わたしたちの信仰は主のご受難と十字架上の死によってすべての人の罪が贖われていることを信じる信仰の上に成り立っています。救いは主の愛によってこのようにして実現したからです。ご聖体は主の受難と復活の記念ですが、わたしたちはご聖体のうちに神の愛を見ているでしょうか。6月は特に主の愛に思いを馳せ、深く味わう季節です。
 
今年の5月はあまり爽やかな日が多くありませんでした。雨の日が多く、それが今も続いています。湿気があり、晴れた日には温度が高く、蒸し暑く感じます。そして、6月に入ると、いよいよ梅雨の到来の季節を思います。水は作物にとってはなくてはならないものですが、毎年のように梅雨の終わり頃には水害が起こっています。今年も心配です。
 
季節があることはそれぞれの季節に合わせて生活のありようも変わり、いろいろな刺激もあります。わたしたちに季節の変化を楽しみ、味わう心のゆとりがあればいいですね。子どもたちにはそれぞれの季節を楽しむ才能があるようです。かつてはわたしにもそのような時代がありました。大人になって心が鈍くなってしまったのでしょうか、感動することが少なくなったように思います。毎日何かに心をゆすられて、感動することができる心の豊かさを持つことができればいいのですが。
 
信仰のうちに、大きな広い視点で物事を捉える恵みを祈ります。そして、どんなときにも愛である神さまのみ業を讃えることができますように。また、感謝を捧げることができますように…。

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