巻頭言2021年11月

 季節の変わり目に

カトリック藤が丘教会主任司祭

最近急に寒さが増してきました。朝起きて身支度するとき、クシャミが止まらなくなり、難儀するときがあります。気候の変化に身体が追いつかない…、そんな感じです。それでも、最近は毎日外に出てしばらく歩きます。もう一月半ぐらいになるでしょうか。習慣になってくると、様々なことの毎日のちょっとした変化がおもしろく、興味を引かれます。最近は知らず知らずのうちに、「今日は何か変った発見があるだろうか」と探している自分に気づかされます。

初めは歩くだけで精一杯でした。最近は少し余裕も持て、鶴見川のカモや鷺、泳いでいる魚、いろいろな鳥などにも目がいくようになりました。初めは魚がいない川のように思っていました。鳥の姿もあまり目に留めませんでした。しかし、注意するようになってから、自分の見方も変ってきたように感じています。川岸の作物や桜の木の葉の色づき、空の雲の形や色なども面白く眺めるようになってきました。自然の豊かさを感じ、神の創造のみ業を想い、その素晴らしさを味わっています。毎日一度たりとも同じ日はありません。今日の一日は今までもなかったし、これからもありません。

今日の今を二度と無いかけがえのない今として大切に生きる…。味わい深い自然の豊かさに触れる恵みを感謝しています。

ウオーキングを始めたきっかけは、コロナ禍の影響もあって、教会の建物の中に閉じこもっていた結果、健康に不安を感じ始めたからです。体重が増え、ちょっと歩いても息切れがするようになって、このままでは必ず病気になると思いました。

街の様子も少しずつ分かってきました。自然とは対照的に人間が作り上げた街。特に丘の上に築かれている街の道は迷路のようです。この道を行ったらどこにたどり着くのか?地図を持たずに歩くのはいろいろな楽しみがあります。坂が多いので先の見通しがたたないところが面白く、しばらくは楽しめそうです。先が見えないのは不安もあるのですが、一山超えて先が見通せるようになると喜びも沸いてきます。

毎日の過ごし方が変ってきました。コロナ禍で行動が制限され、自粛を呼びかけられていましたが、自然との触れ合いや、人々との出会い、身体を使った仕事や遊びなど、やはり人間はそういったことを必要としていると感じています。自分だけの世界に籠もってしまうとき、人は大きなストレスを抱えこんでしまうでしょう。心が開かれていなければ人は病気になってしまうのではないでしょうか。

出会いにはいろいろありますが、自然や人との交わり、他者と共に体験する出来事などを通してわたしたちにとっては一番大切な神さまと出会います。神との交わり、人との交わり、世界との交わりを通して、人はそこに喜びを感じ、生きがいや生きる力の源を見いだします。季節の変わり目に常に変化しているこの世界に目を向けると、出会いによって様々な興味深い何かを発見することができるでしょう。そして、そこから力を頂くのです。ウオーキングしながら、神さまのみ業、世界の素晴らしさを深く味わい楽しんでいます。神に感謝…。

キリストの教会は社会に開かれた共同体です。より多くの人々がわたしたちのカトリック藤が丘教会の扉をたたかれることをお待ちしております。興味を持たれた方は是非日曜日のミサにいらして下さい。

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