7月巻頭言『梅雨の季節』

主任司祭 鵜飼好一

今年もまた梅雨の季節がやってきました。うっとうしく感じます。小さい子どもたちがちょっとした水たまりや小雨の中で遊び、はしゃぎ回っています。そんな子どもの心がうらやましく思います。かつては自分もそうだったに違いありませんが…。最近は過去の自分の姿に思いを馳せることが多くなりました。年齢のせいでしょうか…。

水のありがたさはよく解っていても、わたしと同じように、たいがいの大人にはうっとうしい季節としか感じられないのではないでしょうか。毎年、梅雨の季節の集中豪雨による水害も危惧されます。今年はどんな梅雨の季節になるのでしょうか。

しかし、毎年季節がめぐり、移り変わっていくその変化をわたしたちは少なからず楽しんでもいます。砂漠のように一年中猛暑の中で過ごし、南極や北極のように常に氷の世界にいたらわたしはきっと絶えきれないでしょう。創世記の天地創造の話では神はその創造のみわざをご覧になって「良し」とされたことが語られています。

神さまの恵みとして四季折々の様々な変化を、豊かさとして味わい、感謝し、楽しみたいと思います。それは神さまが造られたこの世界の素晴らしさを味わうということです。自然は人間のこころの豊かさを育みます。

季節ごとに何か良さを見出すことは毎日毎日同じように見えるわたしたちの生活に潤いをもたらします。多くの人が人間関係で悩み苦しんでいますが、元来人間同士の交わりこそ人間に豊かさをもたらすものです。人間の創造のみ業については、「人が一人でいるのはよくない。」神さまはそう言っています。

また、自然との交わりもわたしたちに豊かさをもたらします。どうしたら豊かさを手にすることができるのでしょうか。交わりを可能にするにはこころのゆとりが必要です。仕事やいつも何かにこころを奪われていて、せっかくの今自分が置かれている世界の素晴らしさに全く気づかない…。もったいないことです。

皆さんが、神さまの愛に満ちたこの世界で、豊かな幸せに満ちた毎日を過ごせますように…。神さまの愛を身近に感じて毎日歩んでいけますように祈ります。

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