12月を迎えて
藤が丘教会司祭 鵜飼好一
待降節が始まりました。藤が丘教会の周辺では、落ち葉が毎日たくさん路上を覆い、まだまだ本格的な冬の到来とはいえません。降誕祭を迎える頃にはきっと厳しい寒さになっていることでしょう。インフルエンザの流行が毎日のように報じられています。健康に気をつけながら、降誕祭を祝う心の準備をいたしましょう。
12月は師走と言われます。典礼暦では年の初めですが、一般の暦では年の終わりの月です。社会的な観点からすれば締めくくりの時です。キリスト教国ではない日本では心の準備はなかなか難しい時期です。にもかかわらず、待降節は信仰生活において大切な季節です。主の受肉の神秘を記念し、新しい一年を主と共にいつも歩む決心をいたしましょう。
日本ではクリスマスのお祝いは信徒以外の方々にも広く祝われています。私も、小学生になった頃、お菓子の詰まった長靴や、美味しいクリスマスケーキをいただいて、少しずつクリスマスについて知るようになりました。キリスト不在の集まりかもしれませんが、クリスマスパーティーやクリスマスプレゼントの交換、美味しいクリスマスの食事などで、楽しく互いの交わりを深め、大切な人々と共にある喜びと愛と平和を味わいます。大変良いことです。
今まで、幼稚園の子どもたちに毎年クリスマスについてお話しする機会がありました。特に小さな子どもたちにとっては、クリスマスのお祝いはきっと心に残る良い思い出となるでしょう。友だちのお誕生会なども幼稚園などではよく行われます。クリスマスはイエスさまのお誕生会のようです。イエスさまのご誕生を一緒に喜び、イエスさまの存在が少しでも身近なものになればとても嬉しいです。イエスさまは私たちに、『私は世の終わりまであなた方と共にいる』と言われました。人となられた神のおん独り子であるイエスさまをお迎えしましょう。誰にとっても、イエスさまは大切な力強い救い主です。
キリスト者にとっては、ご降誕祭のミサは一番大切です。救い主を迎えて、喜び、愛、平和を味わいます。それがクリスマスの根本的な意義です。始まった新しい一年を主と共に歩み、実りある一年になるように祈りを捧げましょう。
今日の朝のニュースでは北海道や日本海側で大雪になっていると報じられていました。これから寒さが増していくので対策も必要でしょう。季節の変わり目は本当に気をつけねばなりません。私たちみんながいつも元気に過ごせますように。しかしまた、それぞれの季節にそれぞれの良いところもあります。わたしたちが皆、日々感謝の心で歩んでいけますように…。


