3月巻頭言『春めく中で』

主任司祭 鵜飼好一

夜明けの時間が少し早くなってきました。藤が丘教会の4階の部屋からいつも空を覗いています。6時半の朝ミサのために5時ごろから朝食の準備をしていますが、いよいよ本格的な春が近くなっていると感じます。最近の気候はとても不安定に感じますが、体の調子が天候にだいぶ影響を受けるという感じも年齢のせいでしょうか。
 
3月を迎え、この時期になると、春のしるしを探すようになります。さくら情報も流れるようになるでしょう。毎年聖香油のミサの時に司教館に行きますが、横浜司教館の桜の花の咲き具合がよく話題になります。冬が去り、春が来る。そう思うと気持ちがとても明るく暖かくなります。最近は司祭館の窓から差し込む太陽の光を受けて、しばらくぼんやりとそのぬくもりを感じている時間が大変気持ちよく感じます。太陽は素晴らしい。詩篇にもあるように、それをお創りになった主を心から賛美いたしましょう。
 
春めくと言えば、いのちの鼓動を聞くような感じです。光の様子も変わってきますが、生きているものがその生きる力のすばらしさをわたしたちに見せてくれます。冬の殺風景な様子が、少しずつ変化していく様子は本当に不思議です。急な変化ではないので、ややもすると気づかずにいてしまうかもしれません。しかし、花が咲き、色づいてくると自然に目が惹かれ、嬉しさでいっぱいになります。
 
山上の説教を思い起こします。野の花の装いが栄華を極めたソロモンよりも美しく装っていると主は言われました。世界が調和に満ちた世界であり、自然の営みの中に主の素晴らしい知恵と美しさが現れていることを知って、わたしたちはもっと主をほめたたえるべきでしょう。

復活祭を祝おうとしている今、いのちについてわたしたちはその素晴らしさを体感し、いのちをお与えくださる主を、心を合わせて力いっぱい賛美いたしましょう。

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