新たな船出をしよう
主任司祭 鵜飼好一
いよいよ聖週間を迎え、復活祭と復活節を迎えます。主の恵みをいっぱい頂いて、新たな船出をいたしましょう。主は漁師であったペトロをはじめ、弟子たちを福音宣教のため派遣されました。「あなたがたを人を漁る漁師にしよう…」と主は言われます。
主の福音に与るわたしたちは、福音に与る喜びに満たされて、その喜びをこそ人々に伝えていくのです。「福音」は喜びの良い便りなのですから…。主がもたらされた救いの「めぐみ」は、罪の赦しと神のいのちに与る「めぐみ」です。わたしたちは、「主は今も生きておられ、わたしたちと共にいてくださる」ことを信じているのです。信仰・希望・愛のうちにわたしたちは喜びに満たされ、新たな力をいただいて、死に勝利した主と共に新たな船出をいたしましょう。
ようやく本格的な春の訪れを感じるようになりました。桜の花も咲き乱れています。コロナ禍も今は少し落ち着いているようです。わたしたちの心に主は呼びかけます。「さあ、行こう、いつくしみ深い御父のみ旨を果たすために…」と聖霊の声が響きます。
教会の活動をコロナ禍の前の状態に戻すだけではありません。わたしたちは常に、更により良いものを求めて行きましょう。決して過去を否定するわけではありません。過去の業績の上に現在があります。現在の状況をよく踏まえた上で主のみ旨を知ることに努め、主にあって、主と共に、主のうちに力を一つにできますようにと願っています。先に何があるのか分かりませんが、勇気を持ってより良い未来を目指して行きましょう。
何かを新たに始めようとするとき、不安もあります。けれど、失敗を繰り返しながら、わたしたちは学び、成長していきます。教会は常に成長していきます。父である神の愛といつくしみを日々深く感じながら、個人としても、共同体としても成長することができますように。信仰のうちに、わたしたちが今も働いておられる主の愛のみ業を心の目で見ることができますように。
新しい出発の時が来ました。主は教会を通して今も福音を人々にもたらし、救いの喜びを与えてくださいます。主こそ恵みの源であり、教会を通して神の恵みは今もこの世にもたらされます。キリストの体であるわたしたちは、主にしっかりと結ばれて、福音をもたらすために日々喜びのうちに歩んでいきましょう。
キリストの教会は社会に開かれた共同体です。より多くの人々がわたしたちのカトリック藤が丘教会の扉をたたかれることをお待ちしております。興味を持たれた方は是非日曜日のミサにいらして下さい。