5月の緑
主任司祭 鵜飼好一
5月になると木々の緑が輝いて見えます。若葉の薄緑、濃い緑の葉とのコントラスト…。木々の葉ばかりでなく、沢山の草花が色鮮やかに咲き乱れ、まさにいのちを謳歌しているように思えます。それぞれの草木が、与えられたいのちを開花させ、主を賛美しているようです。日々成長していくいのちの力強さ、豊かさ、その神秘をわたしたちは味わっています。
しかし、同時にいのちのはかなさも体験します。華やかな装いの時はわずかです。だからこそ、いのちの尊さを実感し、いのちの美しさを賛美し、生きている今を大切にしたいと思います。いのちについて思いを巡らす季節。それが今の季節でしょう。
同時に、いつもこの時期は教会の復活節と重なります。この世のいのちに思いを寄せると同時に、主イエス・キリストがもたらされた復活のいのちについて、信仰のうちにその喜びを味わう季節です。主はすべての人の救いを願い、すべての人を永遠のいのちへ招いてくださっています。
この世のいのちを十全に生きることによって、わたしたちは永遠のいのちに豊かにあずかります。主イエス・キリストを信じこの世にあって主と共に生きる事によって、わたしたちはより豊かないのちにあずかるのです。
キリスト者の信仰は主イエス・キリストの復活を信じる信仰です。それは今も生きておられる主と共に歩むことです。「もはやわたしが生きるのではなく、わたしの中におられる主が生きておられる」とパウロが言ったように、わたしたちのうちに主が生きておられるのです。
この世にあって、主が愛の道を歩み続けたように、わたしたちもいただいたいのちの素晴らしさを味わい、神に感謝をささげ、神を賛美いたしましょう。すべては神の恵みです。信仰・希望・愛の恵みをいただいて、神のいのちにあずかり、感謝と喜びのうちに日々歩むことができることは本当に幸せなことです。
この世界は神様の恵みに満たされています。わたしたちは主をほめたたえ、感謝をささげましょう。それが主の御旨です。主イエス・キリストと共にささげましょう。信仰によって主に結ばれることによってこそ神への真の礼拝、真の賛美となるのです。
いのちに満ちた喜びの季節にあって、主の豊かな恵みと祝福を祈ります。