8月巻頭言『夏の思い出』

主任司祭 鵜飼好一

 とにかく毎日の暑さには閉口します。8月に入り、学校は夏休みに入っています。自分の子ども時代のことをぼんやりと思い出します。小学生の低学年の頃、なんと言っても、夏休みは補虫網と虫籠をもって毎日のように近くの公園を走り回っていました。兄弟や親戚の子、近所の子も一緒でした。沢山虫がいました。最近思います。トンボや蝶々、蝉や黄金虫などみんなどこに消えてしまったのでしょうか。

 銀ヤンマや鬼ヤンマなど滅多に見なくなりました。蝶々の種類も少なくなりました。餅竿を持って近所の川で一生懸命大きなトンボを捕まえようとしていたことも度々でした。まだ整備されていなかった公園の池に入り込み、ゲンゴロウやヤゴを捕まえたり、アメンボウを追いかけたりしました。危ないからと母に叱られたこともありました。

 今の子どもたちは夏休みをどのように過ごしているのでしょうか。新型コロナの大変だったここ数年は家で何をしていたのでしょうか。本当に時代が変わったと感じています。今年は外に出かける機会も増えているでしょうが、それにしてもこの暑さはたまりません。テレビのニュースは熱中症の危険を常に呼びかけています。

 子どもの頃、今のようには電子化が全く進んでいなかったので、遊びも今とは全く違っていました。体を動かす遊びが多かったと言えます。わたしの実家は両親が薬局を経営していて、年がら年中、休みなく仕事をしていました。多いときには小さな家に11人の家族が住んでいました。わたしの兄弟は5人ですが、祖母や叔父、叔母も一緒に住んでいたからです。それで夏休みと言ってもみんなでどこか旅行に出かけるなどと言うことは全くと言うほどありませんでした。みんなで食事をするために出かけることもありませんでした。父が運転する仕事用のバンにはみんな一緒に乗ることはできなかったこともあります。

 それで、比較的自由に遊び回っていたと言えます。子どもらしく、仲間と一緒に自分たちでしたいことを考え、楽しみました。雀を捕まえに行ったこともありました。少し大きな近所の友達と一緒に沢山冒険しました。懐かしく思い出します。

 普段と違う休みだからこそ、貴重な経験をする機会でもあるでしょう。子どもたちが夏休みを思い切り楽しむことができますようにと願っています。

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